男性不妊症の治療

            (精子の存在する方)


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(13)精液検査

 精液検査は、男性不妊検査の一部とお考え下さい。いろいろな検査から男性診断がなされます。時として、精子の濃度だけでOKを出してしまう婦人科も多い様です。
  精液検査と内容分類   

 

  精液検査について
  男性不妊検査は一般的には生殖医療(不妊治療)の中で行われる場合がほとんどでそれ以外の目的で男性不妊検査を行うケースは稀のようです。本来は泌尿器科での受診検査であるものですが、需要目的が妊娠のため一般的には、婦人科で手っ取り早く精液のみだけの検査が多いようです。 体外受精などの生殖医療の発達により顕微受精(ICSI)など医療技術の発達で男性不妊の環境が非常に変わりました。しかし何度も何度もICSIを行っても妊娠しないご夫婦も少なくありません。ICSIでの妊娠率は10%台といわれております。受精卵は精子と卵子が創るもので、妊娠は卵子や女性にウエイトが傾きがちですが、50対50の責任の基でも一度男性不妊を再確認なさってはいかがでしょうか。このような関係から男性不妊の検査は軽視されがちで、受診した医師によりその結果も天と地ほどの違いもあります。安心して正しい診断が得られればとこのようなご提案をいたしました。
   精液検査
 

 〔Count Summary〕

 Volume ・・・・・・・・・・・・ 精液量
Total Count ・・・・・・・・・・測定した精子の数
 Total Concetration  ・・・・・・精子濃度
 Total Sample  ・・・・・・・・・総精子数
 Motile Count ・・・・・・・・・・運動している精子数
 Motile Percent  ・・・全精子中の運動精子数の割(%)%
 Motile Concentration ・・・・・・運動精子濃度
〔Progressive Sperm〕・・・・・・・・・ 良好精子
※良好精子とは、スピードが25micron/Sec以上で
直線性

 が80%以上の両方の条件を兼ね備えている精子のこと。 
 Progressive Count ・・・・・・良好精子の数(個)
 Progressive Percent・運動精子中の良好精子の割合(%) 
 Progressive Concentration  ・・良好精子の濃度 
 Progressive Sample ・・・・・・・ 総良好精子数 
〔Movement Characteristics
(VAP)・・精子進行方向性速度の平均値(HZ)  Progressive Velocity (VSL) ・精子直線地点移動速度の平均値(HZ)
 rack Speed (VCL)・・精子曲線地点移動速度の平均値(HZ)
 Lateral Amplitude (ALH) ・・精子頭部の平均振幅値 
 Beat Frequency (BCF)・精子頭部が1秒間に振る回数  
 Linearity (LIN) ・・・・・・・・精子の直線性の平均値
〔Velocity Distribusion
 Rapid sperm ・25(HZ)以上の速度で動いている精子
 Medium Sperm ・5~25(HZ)の間で動いている精子
 Slow Sperm ・・0以上5(HZ)の間で動いている精子
 Static Sperm・・・動いていない精子
   世界保健機構(WHO)精液検査の正常参考値

 精液量・・・・・・1.5(ml)以上
 精子濃度・・・1500万(匹/ml)以上
 運動率・・・・・・・・45(%)以上
 高速運動率・・・・・・25(%)以上
 正常形態率・・・・・30(%)以上
 白血球数・・・・・100万/ml以下
 PH・・・・・・・・7.2~7.8
 精子生存率・・・・・・75%以上

○運動率(%)・・

 ①Rapid sperm→ 25HZ以上の速度で動いている精子
 ②Medium Sperm → 5~25HZの間で動いている精子
 ③Slow Sperm →0以上5HZの間で動いている精子
 ④Static Sperm → 動いていない精子
 ①+②=運動率(%)になります
運動率はひとつには、良質な精子かどうかの判断材料とお考えください。実際にはWHOの報告のとおり50%以下ですと何か問題があるとおもって丁寧な検査をお勧めいたします。能力の低下した精子の改善はさほど難しいことではありませんので、低運動率の人はあまり気にせず治療で充分な条件になります

   精液量
   WHOの基準では2.0ml以上が基準値ですが、実際の臨床では3ml~4ml台がたいへん多く見受けられます。
  ◆1.0ml以下・・・逆行性射精やいくつかの疾病の疑いがあるため、再検査や射精液の液量を自分で確認してください。液量の低下はその他の精液環境が良くても自然妊娠が得られにくくなりす。パーコールな どによる対応や工夫をして液量を増やしましょう。 ◆6.0ml以上・・・臨床では精索静脈瘤などをのぞきほとんど精液内容に異常がなく良好な方が多いようです。液化の凝集が 強く高濃度の良好精子の低下の方も多いので安心はできません。
 

 精子濃度

  ○精子濃度・・・・・・単位は下記の3タイプか直接数字で示す場合の4タイプです。
  million/ml・・・・・・35.5million/ml →1ml中3550万個
     ×106/ml・・・・35.5×106/ml   →1ml中3550万個
    ×104/ml・・・・3550×104/ml   →1ml中3550万個
精液検査中一番気になる結果かと思います。WHOの基準値は2000万以上との事ですか、一般的には3000万~5000万台が一番多くみられますが、1000万以下ですと自然妊娠は非常に険しく思います。500万台でも運動率80%、良好精子40%などという人もおりますのでこんなに低濃度でも自然妊娠していにらっしゃる方もたくさんおります。少なくても濃縮法でAIHや精子の増精で自然に近い状態での妊娠は充分に可能です。この濃度の算定も病院での結果格差があり、丁寧な施設を選択してください。有名大学のリプロ(男性不妊治療)などといっても一般病院以下のこともあり安心できません。
   運動率
 

○運動率(%)・・

 ①Rapid sperm→ 25HZ以上の速度で動いている精子
 ②Medium Sperm → 5~25HZの間で動いている精子
 ③Slow Sperm →0以上5HZの間で動いている精子
 ④Static Sperm → 動いていない精子
 ①+②=運動率(%)になります
運動率はひとつには、良質な精子かどうかの判断材料とお考えください。実際にはWHOの報告のとおり50%以下ですと何か問題があるとおもって丁寧な検査をお勧めいたします。能力の低下した精子の改善はさほど難しいことではありませんので、低運動率の人はあまり気にせず治療で充分な条件になります

   高速運動率
   ○高速運動率(%)・・透明帯の貫通や卵管そ上力のある精子の確認の検査です。下記の正常形態とあわせて先端医療のなかでは精子一匹づつの能力確認と形態のかくにんなどもできるようになりました。
   その他
 

○正常形態率・・・・Progressive Percent → 運動精子中の良好精子の割合(%)のことで後ほどサンプルをごらんいただきます。今は一歩進んだ検査法があります

○白血球数・・・・・・100万/ml以下とのWHOの指針ですが一般的に臨床で確認させていただいている環境は10万~30万の範囲が非常に多く100万前後は必ず他の疾病や合併症などを疑っております。高ければCRPや泌尿・内科検査も必要

○精子生存率・・・・75%以上がWHOの基準値です

○液化状態・・・・・・とても大切な色々な情報が得られます。

○精液検査で大切なこと・・・・精液検査の精度格差と結果の良悪によらずセカンドオピニオンも必要

 

   高濃度の精子無力症
   ○この場合は、精子濃度が高くても、運動率、良好精子運動率、直進性などが極端に悪く、顕微受精エリアの男性不妊症患者様なのですが、高濃度のため何らご夫婦にそのことを告げられず、何回も顕微受精を行っている場合があります。ご注意下さい

 

 

  安心のためのアドバイス
 
○精液量(ml)・・・・・
WHOの基準では2.0ml以上が基準値ですが、実際の臨床では3ml~4ml台がたいへん多く見受けられます。
  ◆1.0ml以下・・・逆行性射精やいくつかの疾病の疑いがあるため、再検査や射精液の液量を自分で確認してください。液量の低下はその他の精液環境が良くても自然妊娠が得られにくくなりす。パーコールな どによる対応や工夫をして液量を増やしましょう。
  ◆6.0ml以上・・・臨床では精索静脈瘤などをのぞきほとんど精液内容に異常がなく良好な方が多いようです。液化の凝集が 強く高濃度の良好精子の低下の方も多いので安心はできません。
精液量はその時のコンデション(ストレス、考え事、射精角度、欲情の度合い、勃起~射精の時間、射精頻度など)や採精場所や雰囲気でかなりの変化があるようです
○精子濃度・・・・・・単位は下記の3タイプか直接数字で示す場合の4タイプです。
  million/ml・・・・・・・35.5million/ml →1ml中3550万個
     ×106/ml・・・・35.5×106/ml   →1ml中3550万個
    ×104/ml・・・・3550×104/ml   →1ml中3550万個
精液検査中一番気になる結果かと思います。WHOの基準値は2000万以上との事ですか、一般的には3000万~5000万台が一番多くみられますが、1000万以下ですと自然妊娠は非常に険しく思います。500万台でも運動率80%、良好精子40%などという人もおりますのでこんなに低濃度でも自然妊娠していにらっしゃる方もたくさんおります。少なくても濃縮法でAIHや精子の増精で自然に近い状態での妊娠は充分に可能です。この濃度の算定も病院での結果格差があり、丁寧な施設を選択してください。有名大学のリプロ(男性不妊治療)などといっても一般病院以下のこともあり安心できません。
○運動率(%)・・①Rapid sperm→ 25HZ以上の速度で動いている精子
②Medium Sperm → 5~25HZの間で動いている精子
③Slow Sperm →0以上5HZの間で動いている精子
④Static Sperm → 動いていない精子
①+②=運動率(%)になります
運動率はひとつには、良質な精子かどうかの判断材料とお考えください。実際にはWHOの報告のとおり50%以下ですと何か問題があるとおもって丁寧な検査をお勧めいたします。能力の低下した精子の改善はさほど難しいことではありませんので、低運動率の人はあまり気にせず治療で充分な条件になります
○高速運動率(%)・・透明帯の貫通や卵管そ上力のある精子の確認の検査です。下記の正常形態とあわせて先端医療のなかでは精子一匹づつの能力確認と形態のかくにんなどもできるようになりました。
○正常形態率・・・・Progressive Percent → 運動精子中の良好精子の割合(%)のことで後ほどサンプルをごらんいただきます。今は一歩進んだ検査法があります
○白血球数・・・・・・100万/ml以下とのWHOの指針ですが一般的に臨床で確認させていただいている環境は10万~30万の範囲が非常に多く100万前後は必ず他の疾病や合併症などを疑っております。高ければCRPや泌尿・内科検査も必要
○精子生存率・・・・75%以上がWHOの基準値です
○液化状態・・・・・・とても大切な色々な情報が得られます。
○精液検査で大切なこと・・・・精液検査の精度格差と結果の良悪によらずセカンドオピニオンも必要
  高濃度の精子無力症について
   ○この場合は、精子濃度が高くても、運動率、良好精子運動率、直進性などが極端に悪く、顕微受精エリアの男性不妊症患者様なのですが、高濃度のため何らご夫婦にそのことを告げられず、何回も顕微受精を行っている場合があります。ご注意下さい
   

男性不妊症 精子の質による分類表
FSHが10以内で抽出した精子
LHが5未満で抽出した精子
PRLが10以内で抽出した精子
テストステロン値が350~850の範囲内で抽出した精子
CRPに反応がない時の採精
精子直進速度が高いもの
精子曲線速度が高いもの
Lateral Amplitude (ALH) ・・・精子頭部の平均振幅値
Beat Frequency (BCF) ・・・・精子頭部が1秒間に振る回数が多いもの
Linearity (LIN) ・・・・・・・・精子の直線性の平均値高いもの
Rapid sperm ・・・・・・25(HZ)以上の速度で動いている精子
Medium Sperm ・・・・・5~25(HZ)の間で動いている精子
Slow Sperm ・・・・・・0以上5(HZ)の間で動いている精子
Static Sperm ・・・・・・動いていない精子
Rapid spermが一番多く、徐々に少なくなっているケースをお薦め
 
SMI・・・・・最低値の倍程度以上考えましょう(160以上)
間脳視床下部-下垂体-精巣系が安定していること
VC無しかVC(精索静脈瘤)処置済みの方の精子
乏精子症がない精子
奇形がない精子
運動率の高い精子
高速運動率の高い精子
 



劣化精子
濃度の少ない精子
運動率の低い精子
高速運動率の低い精子
SMIの低い精子群
洗浄濃縮できにくい精子
体外受精では受精卵ができない精子
顕微受精でも受精卵にならない精子
IMSIでも受精卵にならない
全核のまま分割せず
分割胚になるも分割停止
分割胚になるも受精卵の変性化が始まる
桑実まで行くが移植できない
胚盤胞まで育つが停止
変性卵になる
胚移植できるが陰性反応ばかり
胚移植で陽性反応を示すが胎嚢確認なし
胚移植で陽性反応あるが心拍確認前に稽留流産
胚移植で陽性反応あるが心拍確認するもその後稽留流産
胚移植で陽性反応あるが心拍確認するも胎盤形成前に稽留流産
胚移植で陽性反応があるも10週前に流産
不育や習慣性流産検査で異常が無し
採卵しても受精卵の数が少ない
採卵してもほぼ使えない受精卵
これらは明らかな劣化精子による男性不妊で、妻側の問題ではなく、夫の精査と治療が必要です。このような環境で何度も何度も体外受精を実施しても、まず、結果は得られません。夫側を変える事です。

 

  男性不妊症濃度別分類  

 

男性不妊症精子数による分類表
精巣生検で精細管内に細胞成分見とめない場合の無精子症
精巣生検で精細胞が確認できずSERITOLI細胞のみの無精子症
精巣生検で精細胞は精祖細胞のみの無精子症
精巣生検で精子、精粗細胞が確認できず、精母細胞も数個の無精子症
精巣生検で精子、精粗細胞が確認できず、精母細胞は多数の無精子症
精巣生検で精子は確認できず精子細胞も5~10個の無精子症
精巣生検で精子は確認できず精子細胞は多数の無精子症
精巣生検で精子が精細管腔内に5~10個確認できる
精巣生検で多数の精子が確認できるが細胞配列に乱れ
精巣生検で精細胞の層が厚く正しい配列、多数の精子を伴う完全な精子形成能
精巣生検で良好な精子が多数確認できる
射精精液中に精子が存在しない無精子症
射精精液中に精子が数匹存在する乏精子症
射精精液中に精子が1000匹/ml程度存在する乏精子症
射精精液中に精子が1万~10万匹/ml存在する乏精子症
射精精液中に精子が10万~90万匹/ml存在する乏精子症
射精精液中に精子が100万~900万匹/ml存在する乏精子症
射精精液中に精子が1000万匹/ml程度存在する乏精子症
射精精液中に精子が2000万匹/ml程度存在する乏精子症
射精精液中に精子が3000万匹/ml程度存在する
射精精液中に精子が5000万匹/ml以上存在する
射精精液中に精子が一億匹/以ml上存在する
射精精液中に精子が二億匹/ml以上存在する
射精精液中に精子が二億匹/ml以上存在し凝集反応が強い
射精精液中に精子が三億匹/ml以上存在する
射精精液中に精子が三億匹/ml以上存在し凝集反応が強い

         



  ワンポイントアドバイス  
ベストを尽くす・・・今だから。 今でないと。

 精子濃度(精子数)が男性不妊症を診断するものではありません。精子に関する染色体情報から精子の奇形や酵素欠損まであらゆる分野からの診断が大切です。